研究課題/領域番号 |
24740025
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
石井 卓 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (60406650)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Rankin-Selberg法 / アルキメデスゼータ積分 / Whittaker関数 / 離散系列表現 |
研究概要 |
実リー群上のWhittaker関数の明示公式の応用として、以下のような保型L関数に対する局所ゼータ積分の計算を行った。 (1)一般線形群GL(n)の標準L関数と2次外積L関数 Bump-Friedberg (1990)による、上記の2つのL関数を同時に解析接続するような複素2変数のゼータ積分のアルキメデス部分の計算を実行した。局所ゼータ積分は、GL(n)のWhittaker関数と[n/2]変数のSchwartz-Bruhat関数の組を含む積分である。GL(n,R)の主系列表現に対するWhittaker関数の明示公式を用いて、局所ゼータ積分が2つのL関数の局所L因子の積と等しくなるようなWhittaker関数とSchwartz-Bruhat関数の組を明示的に与えた。これにより大域的な2次外積L関数についての関数等式も従う。 (2)2次斜交群GSp(2)の標準L関数とスピノールL関数 Bump-Friedberg-Ginzburg (1999)は、このL関数に対してもSiegel Eisenstein級数とKilingen Eisenstein級数を用いた複素2変数のゼータ積分を与えている。これまでの研究で蓄積されてきたSp(2,R)のWhittaker関数の明示公式を用いることにより、実素点において主系列表現や大きな離散系列表現を生成している場合に、Whittaker関数と2つのEisenstein級数を構成する切断を適切に選ぶことにより、アルキメデスゼータ積分が標準L関数とスピノールL関数の局所L因子の積になることを証明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度に研究を予定していたGL(n)の2次外積L関数の局所理論については、おおむね予定していた通りの成果を挙げることができた。また、GL(3)×GL(2)の6次のオイラー積をもつL関数に対する局所ゼータ積分の計算は最後まで実行できなかったが、当初26年度に研究を進める予定であったGSp(2)のL関数については、ある程度の結果を出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
平野幹氏(愛媛大学)、宮崎直氏(北里大学)との共同研究であるGL(3)×GL(2)のアルキメデスゼータ積分の計算、ならびにGSp(2)上のBump-Friedberg-Ginzburgのゼータ積分の計算を完成させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記共同研究についての研究連絡や、関連分野の研究集会に出席するための出張旅費に使用する予定である。
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