研究概要 |
次の公表された論文の概要について述べる。 [1] j.w.w. Koji Tasaka, Remarks on double zeta values of level 2, [2] j.w.w. Lukasz Pankowski, Self-approximation for the Riemann zeta function, [3] A quasi-infinitely divisible characteristic function and its exponentiation, [1]重さが奇数であるレベル2の2重ゼータ値の張る空間の生成元を交代2重ゼータ値の明示公式を使うことにより与えた.さらに金子氏と田坂氏により与えられたレベル2の2重ゼータ値の和公式の別証明も与えた.[2] Pankowski氏と共同で,\lambdaを複素数とするとき,\zeta (s+\lambda+id\tau)は\zeta (s+i\tau)を近似できるかという問題を考えた.これまでの多くは2つのゼータ関数は2つとも絶対収束域又は臨界領域の場合だけ考察されていたが,今回は一つは絶対収束域,もう一つは臨界領域という場合も議論した.この論文でお互いに近似できない例も得られている.[3] 無限分解可能でない擬無限分解可能分布の特性関数f(t)は,あるu \in {\mathbb{R}}に対して$f(t)~u$は特性関数にならないことが知られている.佐藤健一氏により提起された,f(t)を特性関数とする擬無限分解可能な分布のどの例に対しても,$f(t)~u$が特性関数とならないようなuがどれだけあるのかという問題は解かれていなかったが,本論文ではある無限分解可能でない擬無限分解可能分布の特性関数g(t)は,その0以上の整数乗は特性関数となり,それ以外は特性関数にならないことを示した.
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