研究課題/領域番号 |
24740037
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石井 敦 筑波大学, 数理物質系, 講師 (00531451)
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キーワード | 位相幾何学 / 結び目理論 |
研究概要 |
本年度に実施した研究の成果は、昨年度に構築したホモロジー・コホモロジー理論をより精密に補正したことです。この研究はScott Carter氏と齋藤昌彦氏との共同研究です。本年度に実施したホモロジー・コホモロジー理論の精密な補正は、高次元の foam を複数回の射影を用いることによって平面上に射影し、その組み合わせ構造を観察することで得られました。高次元のホモロジー・コホモロジー理論を正確に構築することはホモロジー・コホモロジーを一般的な見地から扱うために重要です。高次元にも対応できるホモロジー・コホモロジー理論を構築したことが研究の成果です。このような研究成果を得るためには、科学研究費補助金を用いて出張を行い、研究会議で国内外の研究者と議論を交わすことが重要でした。特に、本研究に関連した研究会議として「ハンドル体結び目とその周辺VI」が10月に開催されました。この研究会議では、谷山公規氏による空間グラフの様々な同値関係についてのまとめ、安原晃氏によるMilnor 不変量とlink homotopyのまとめ、水澤篤彦氏によるハンドル体絡み目の絡み数とneighborhood homotopyの研究、大城佳奈子氏によるtwisted Alexander polynomial の具体的な計算の提示がありました。またハンドル体結び目に関連した低次元トポロジーの重要な問題についても話し合われました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように研究成果が出ている。 本研究に関連する研究会議も滞りなく開催されている。
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今後の研究の推進方策 |
補正したホモロジー・コホモロジー理論に対して,具体的な例の構成とコサイクルを見つけます。 研究を効率よく進めるために関連する研究会議やセミナーなどに参加し情報収集を行います。また研究成果の発表を通して、研究成果に対するフィードバックを得ることで、研究成果をさらに洗練させます。このように適切に出張を行うことに加えて、研究会議「ハンドル体結び目とその周辺VII」を開催します。研究会議の開催によって人的交流を促進し研究者同士の活発な議論を引き起こすことで、深みのある研究を加速させます。
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