本年度に実施した研究の成果は、multiple conjugation quandle のホモロジー・コホモロジー理論の具体的な例においてコサイクルの構成を試み、Nosaka cocycle を用いた場合にコサイクルが分離していることを明らかにしました。この研究は Kokoro Tanaka 氏との共同研究です。また、Akira Masuoka 氏との共同研究でユニモジュラー・ホップ代数から得られるハンドル体結び目の不変量に関する論文を発表しました。このような研究成果を得るためには、科学研究費補助金を用いて出張を行い、研究会議で国内外の研究者と議論を交わすことが重要でした。特に、本研究に関連した研究会議として「ハンドル体結び目とその周辺VII」が10月に開催されました。この研究会議では、Seiichi Kamada 氏による分岐ブレイドと qualgebra についての研究、Ishii Atsushi によるハンドル体絡み目とハンドル体組み紐の研究、Tomo Murao 氏による bind map についての研究、Yoshiro Yaguchi 氏によるひねる操作「Hurwitz action」の紹介と具体的計算についての研究、Kokoro Tanaka 氏による多重共役カンドルのホモロジーについての研究がありました。またハンドル体結び目に関連した低次元トポロジーの重要な問題についても話し合われました。
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