研究概要 |
香港中文大学のKwokwai Chan氏および東京大学数物連携宇宙研究機構のDaniel Pomerleano氏とホモロジー的ミラー対称性の研究を行った。特に、3次元の通常2重点のクレパントな特異点解消のミラーにLagrangeトーラスファイブレーションの構造を入れ、この場合にホモロジー的ミラー対称性を証明するとともに、Strominger-Yau-Zaslow予想とホモロジー的ミラー対称性の関係を明らかにした。 また、Galatasaray大学の田邊晋氏と共同で、重み付き射影空間内のCalabi-Yau超曲面に付随するGiventalのtwisted I関数のモノドロミーが、連接層の導来圏の自己同値がGrothendieck群に引き起こす写像を用いて記述できることを明らかにした。これはKontsevichやHorja、Golyshevらの結果の拡張になっている。 さらに、大阪大学の大川新之介氏と共同で非可換幾何学の研究を行った。特に、非可換2次曲面および非可換conifoldのコンパクトなモジュライ空間を定義し、それらがそれぞれ重み(2,4,4,6)および(1,2,3,4)を持つ重み付き射影空間であることを示した。さらに、非可換conifoldのモジュライ空間から非可換2次曲面のモジュライ空間への自然な射を構成し、それが次数4の有限射であることを示した。 また、韓国高等科学院の橋本健治氏および早稲田大学の永野中行氏と共同で、あるPicard数が2のトーリックFano多様体に付随するK3曲面の族の周期写像を詳しく調べた。これは永野中行氏の先行研究の精密化になっている。
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