研究課題/領域番号 |
24740069
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
宮田 庸一 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (10514250)
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キーワード | ベイズ統計学 / 漸近理論 |
研究概要 |
ベイズ型情報量規準を導出するためには、周辺尤度と呼ばれる積分をラプラス法にて近似する必要がある。2013年度の研究において、周辺尤度における被積分関数の対数尤度に相当する関数のヘシアン行列が漸近的に退化する場合、もしくはヘシアン行列が収束しない場合においてもラプラス近似が正当化できることを示すことができた。これは、線形もしくは非線形回帰モデルの説明変数が漸近的に多重共線性を持つ場合、もしくは非定常なmixing過程においても、ラプラス近似(即ちベイズ型情報量規準)がその妥当性を持つことを明らかにしたことになる。現在、この結果を論文にまとめ、投稿の準備をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、ベイズ型情報量規準の理論的、数値的妥当性の検証が済み、具体的な統計モデルへの応用という段階に入っている予定であった。しかしながら現時点では、未だにベイズ型情報量規準の理論的、数値的妥当性の研究にとどまっているという点では、やや研究計画からは遅れているということになる。しかしながら上記の研究実績の概要で述べたように、研究計画を書いた時点で想定していたものよりもベイズ型情報量規準が広範囲な統計モデルに適用することが明らかにすることができた。その意味では遅れてはいるが、研究自体としては大きな前進があったと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は下記の(1)~(3)を行う。 (1) 研究実績の概要で記載したように、論文の作成を行い、然るべきジャーナルに投稿を行う。 (2) 研究計画でも示したようにJoint Statistical Meeting(8/2-8/7, ボストン)での口頭発表を行い、広く意見を収集する。 (3) 研究計画に記載されているように、ベイズ型情報量規準における漸近的な妥当性を明らかにし、非定常な線形過程に対して応用する。特に線形過程のmixing性が成り立つための十分条件についての検討を行う。
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