研究課題/領域番号 |
24740076
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 鈴鹿工業高等専門学校 |
研究代表者 |
篠原 雅史 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (70432903)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 距離集合 / 離散幾何 / Ramsey number |
研究概要 |
距離集合の問題をRamsey理論的なアプローチによる手法で考察していくことが本研究の大きな特徴であった. つまり, n-point k-distance set は n'-noint (k-1)-distance set を必ず含むことを示し, そのことを用いて n-point k-distance set を特徴付けようということである. 例えば, 3次元ユークリッド空間の場合, 直径に着目しその幾何的な情報を組み込むことにより, 12-point k-distance set は必ず 5-point (k-1)-distance set を含むことが分かる. 現在, 幾何的な状況を用いずに純粋に組み合わせ論的にどの程度のことがいえるか考察中である. この研究は Ramsey number の一種の拡張になっていて, その意味でも興味深いものと思われる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【研究実績の概要】でも述べたが, 宗政氏との共同研究により Complementary Ramsey number について考察している. Complementary Ramsey number が確定すると, 上手く距離集合の分類ができる可能性も秘めている. 特に, Complementary Ramsey number には幾何的な情報を含んでいないため, ユークリッド空間のみならず, 様々な空間での距離集合の研究への貢献が期待できる. また, 距離集合の分類についてもある特殊な状況下において, いくつかの問題を解決できた.
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今後の研究の推進方策 |
Complementary Ramsey number について考えるときに, 完全グラフのある因子分解が重要になってくることが分かってきた. 特に, ある因子分解が存在すると ある Comoplementary Ramsey number が決定できる. 因子分解についての先行研究は多くあるので, グラフ理論の専門家にも協力を仰ぎ, 特定の因子分解の構成について考えていく. このことに関係して, 幾何的な情報も加えたタイプの Complementary Ramsey number についてもよい定義を与え考えていきたい. 一方で距離集合の分類問題として, 球面・非球面上の距離集合についての研究も続けていく. この研究は愛知教育大学の野崎氏との共同研究である.
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費70万円:代数的組み合わせ論研究集会(浜松), 離散幾何研究集会(山形), 組合せ論若手研究集会(東京), 日韓組み合わせ論研究集会(韓国), 九州大学組合せ論セミナー(福岡), 研究会直感幾何学(熊本), 研究打合せ(東北大学, 愛知教育大学)など 物品費35万円:パソコンおよび計算機関係ソフトなど
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