研究課題/領域番号 |
24740085
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
澤野 嘉宏 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (40532635)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | モレー空間 / 中国 / ドイツ / カザフスタン |
研究概要 |
ハーディー空間のアトム分解の理論を応用して,モレー空間のアトム分解の理論を展開した。モレー空間以外ではオーリッツ空間のアトム分解も得ることができた。モレー空間におけるオルセンの不等式を用いて、種々の非線形微分方程式に応用した。また、海外講演を数回行い、得られた結果を周知した。トリーベル・リゾルキン空間の解析は、ピートル型極大作用素を用いて,今までに得られている種々の結果をまとめ、穴の開いていた部分を埋めることに成功した。この論文はDissertationes Mathematicaeから出版される予定である。また、non-doubling measureの解析は既知の理論の修正を必要とするとされているが,修正が実際に必要であることを例示するために,反例を構成した。この反例はCollectanea Mathematicaに採録されている。さらに,non-doubling measureの解析の実例として,ガウス測度を取り上げた。この実例に関しては,Journal of geometric analysisに掲載されている。また、これらの実例などを議論するべく、Eurasian National UniversityからVictor Burenkov, Tamara Tararykova両氏を招聘し,国際会議Harmonic analysis and its applications at Tokyoにて研究討論を行った。 再生核の理論に関しては、線形微分方程式の解の近似的な構成方法を提唱した。また、著書の細部の検証を行い、出版社を見定めるに至った。再生核の理論の研究者にあい、直接討論することで,著書の記述を明確にすることに努めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アトム分解の応用先として、当面はカールソン作用素を想定している。アトム分解を使うことで,カールソン作用素を若干簡略化できることまでは何とかこぎつけたが,そこから先がまだ見えてこない。
|
今後の研究の推進方策 |
国内、国外の研究者と協力して、研究を進めていく。国外の研究者は特に、中国、インドネシアなどを想定している。
|
次年度の研究費の使用計画 |
従来のHarnomic analysis and its applicationsはAsian conference of harmonic analysisと名称を変えて,拡大されることになった。今年は韓国で会議が行われる。 また、首都大学数理解析セミナーも回数や参加者が増えてきており、多くの研究者からの情報提供が可能になっている。本年度はこの点に特に重点を置いて、研究集会などを発展させていきたい。前年度は、ドル安の傾向にあり、論文筆耕料が安めになってしまい、剰余金が生じた。そのために、前年度の剰余金も充当していくことを検討している。
|