研究実績の概要 |
モレー空間を中心とした関数空間の分割理論を展開し、偏微分方程式に応用した。モレー空間の応用としては、滑らかではないを中心に考えた。この考え方は一般化モレー空間,一般化オーリッツ・モレー空間などに拡張した。この考え方のもととなったのは変動指数ハーディー空間である。また、モレー空間の周辺の関数空間そのものの性質をしらべた。主要なものはブロック空間として知られているモレー空間の前双対である。このブロック空間は単調増大極限に関して閉じているかどうかは知られていなかった。この単純かつ基本的な性質は作用素の有界性を示す際に使われているが,証明は今まではどこにもなかった。おそらくは直感的に正しいと知られていて、暗黙の裡に使ってきていたと思われる。この定理により、ブロック空間の関数の分解に関する基本定理が得られたことになる。この考え方は前述のモレー空間の分割にも適用される。偏微分方程式への応用としてリースポテンシャルの有界性が成り立たないと知られている関数空間の対が与えられた時に、定義域と値域のどちらかを改良して最善の不等式を得ることができるかどうかを考察した。 ベゾフ空間に関しては、斉次ベゾフ空間の基本的な定理の証明をした。これも命題としては知られているようであるが、証明はだれも知らなかったようである。再生核ヒルベルト空間の理論では著書の情報を更新した。また、再生核ヒルベルト空間を用いたディラックのデルタの近似を考えた。
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