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2013 年度 実施状況報告書

作用素環への量子群の作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24740095
研究機関北海道大学

研究代表者

戸松 玲治  北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70447366)

キーワードHaagerup property / von Neumann algebra
研究概要

本年度はHaagerup propertyについて研究をした.局所コンパクト群の性質であったHaagerup propertyは,1980年代初頭,長田氏によりfinite von Neumann環に対して定義された.Haagerup propertyがvon Neumann環論において一躍脚光を浴びたのは,2000年代PopaのII1型因子環についての一連の目覚ましい結果で本質的な役割を果たしてからである.その後Popaの仕事の類似はIII型環に対して証明されるようになっている.その際,ある種のHaagerup propertyを示すことがKeyとなっている.Haagerup propertyの類似として考えられたていたものとして,Anantharaman-Delarocheのcompact approximationと呼ばれるものがある.これはvon Neumann環からGNS Hilbert空間への埋め込み写像がノルムコンパクトとなることを意味する.今回の岡安氏(大阪教育大学)との共同研究の目的の一つは,Haagerup propertyの定義を一新して,state-freeの形にすることである.実際に標準型の正錘を使うことで自然に定義することが可能である.こうして,任意のvon Neumann環に対して定義されたHaagerup propertyは望まれる様々な安定性を有する.例えば,corner, commutant, tensor productに対して安定な性質である.また,局所コンパクト群の作用で接合積をとったとき,接合積のHaagerup propertyから元の環のHaagerup propertyが出る.さらに一般的にvon Neumann環の包含があったとき,大きい方にHaagerup propertyがあれば小さい方に遺伝することも示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

量子群の研究には,関数環の性質を調べることが重要である.現在多くの研究者がコンパクト量子群の関数環がいつHaagerup propertyを持つかについて研究を行っている.今回の研究では,これまで明確に与えられてこなかった,任意のvon Neumann環に対するHaagerup propertyの定義と,その性質の研究を行えたから.

今後の研究の推進方策

今後は,Haagerup propertyの他の言い換えについて研究をする.たとえば,非可換Lp空間との関連や,正錘の族との関連.他にはbimoduleとの関連である.

次年度の研究費の使用計画

最終年度に旅費として使うため.
海外出張で使用.

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公開日: 2015-05-28  

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