大規模数値シミュレーションに基づき、最小スケールからその数百倍質量のダークマターハローの構造を調べた。最小ハローは密度プロファイルが半径の-1.5乗程度のべきに比例するが、質量が大きくなるにつれて、べきは徐々に浅くなることを明らかにした。またハローの中心集中度は、従来使われてきたハロー質量と中心集中度の関係を表す、簡素なべき関数型のフィッティング関数とは矛盾し、後者は中心集中度を過剰評価することがわかった。新たに明らかとなったハローの構造に基づいて、ダークマター対消滅による銀河系全体のガンマ線フラックスの評価を行ったところ、従来のものに比べフラックスは最大67%程度大きくなることがわかった。
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