フレアやコロナ質量放出等の太陽活動の源は、太陽黒点が蓄える巨大な磁気エネルギーである。本研究では、太陽黒点(=大局的磁場)の生成機構、すなわち太陽ダイナモ機構に対するタコクライン層の影響を、スーパーコンピュータを使った大規模シミュレーションで定量的に調べた。その結果、1. タコクライン層は大局的磁場の生成にとって本質的な役割を果たさないこと、2. 対流層におけるらせん状の対流が大局的磁場の組織化を担うこと、3. 対流による大局的磁場生成は乱流起電力(具体的には乱流α効果)で定量的に説明できること、4. 磁気ヘリシティの損失が磁場の極性反転と空間マイグレーションの鍵であること、を明らかにした。
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