研究課題/領域番号 |
24740130
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今田 晋亮 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (40547965)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 天文学 / 太陽 / 電離非平衡 |
研究概要 |
本年度、電磁流体計算と電離過程を合わせて解くコードの開発をおこなってきた。計算コード自体は完成しており、様々な計算をおこなえるようになった。本格的な2次元磁気リコネクションの計算をおこなうには、数値的な拡散の影響はまだおおきいものの、来年度はじめには十分本格的な計算ができるレベルに達した。 本年度はこの計算コードを使って、Solar-C搭載予定のEUVST望遠鏡で十分な光子を磁気リコネクション領域から受けられるかという検討をおこない、現在の計画している望遠鏡で磁気リコネクション領域が見えるかどうかを議論した。結果、ひので衛星に搭載されているEISと比較した場合、飛躍的に観測可能性が高くなる事がわかった。 また、科学的課題として研究計画に挙げたコロナ加熱問題の数値計算もおこなった。電離非平衡を考慮した計算と比較するため、本年度は電離非平衡を考慮しないモデル計算をおこなった。コロナプラズマの振る舞いをいわゆる「ナノフレア加熱」を前提とし、さらに Hall効果を考慮した数値計算をおこなう事により、コロナでは密度が高くなったり低くなったりする事で自発的断続的に加熱が起こる事を示した。この結果によりコロナ密度が低い時に加熱が起こる事が示唆され、電離非平衡を考慮する事の重要性が示された。この内容はアストロフィジカルジャーナルに投稿し、出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電磁流体計算と電離過程を合わせて解くコードの開発をおこなっており、基本の計算コード自体は完成し、様々な計算をおこなえるようになった。本格的な2次元磁気リコネクションの計算をおこなうには、数値的な拡散の影響はまだおおきいものの、来年度はじめには十分本格的な計算ができるレベルに達した。また、このコードの応用も十分検討できており、次世代太陽観測衛星の検討や、コロナ加熱問題などすでにいくつかの結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
作成した計算コードを用いて、太陽コロナ加熱問題の計算をし、ひので衛星観測と直接比較する事で、波動加熱(弱い高周波加熱)とナノフレア加熱(強い低周波加熱)のどちらが太陽コロナ加熱において支配的であるかに決着をつける。比較するのに適したひので観測データがない場合、ひので衛星でどのように観測したら最適な情報を得られるかを検討し、実際に観測を行う。この研究を行う研究体制としては、申請者はひのでチームのメンバーであり、業務としても観測立案及びその運用を行っており、計画遂行には最適な環境である。必要に応じて他のひのでチームのメンバーからも観測方法等のアドバイスをもらう事ができ、計画をスムーズに遂行していく事が可能である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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