本研究期間の間にLHC実験およびPlanck衛星による宇宙背景輻射の観測結果が発表された.前者によってヒッグス粒子が見つかり,後者によって宇宙論パラメターが更に精密に決定された.以前から期待されていた標準理論を超える物理(例えば超対称性粒子)や,密度揺らぎの非ガウス性,原始重力波,暗黒輻射,密度揺らぎのスペクトル指数のスケール依存性,等は発見には至らなかった.これらの実験および観測結果を踏まえ,ヒッグス粒子を用いた種々のインフレーション模型構築,ダークマター候補であるアクシオンの初期宇宙進化,モヂュライ崩壊に伴う暗黒輻射生成に関して65本の論文を執筆し国内外の会議において発表した.
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