研究実績の概要 |
本研究は、(K-,π0)反応を用いたハイパー核ガンマ線分光実験を行うために必要なπ0スペクトロメータシステムの開発を行い、4ΛH、4ΛHeのミラーハイパー核の(1+, 0+)間励起エネルギー差として現れる荷電対称性の破れの検証を目的とする。 4ΛHeハイパー核生成には、(K-,π-)反応を用いる。4ΛHe ガンマ線分光実験は、2015年にJ-PARC E13実験として予定されている。2014年度は、E13実験に用いるπ-スペクトロメータのセットアップと性能確認をJ-PARC K1.8において行った。特にE13実験において、標的下流の電磁シャワー検出器の準備を行い(K-,π0)用のテストデータとする予定である。 2014年度内にビームを用いたデータ取得予定であったが、中断中のJ-PARC ハドロン施設のビーム供給が2015年度以降になったため、年度内にデータ取得は行うことができなかった。 4ΛH生成をタグするために、Ge検出器周りにコンプトンサプレッサーとして配置しているPWO検出器を弱崩壊π-検出器として使用する場合の有用性を東北大学ELPHにおいて行い、高エネルギー領域における性能を評価した。またガンマ線測定用ゲルマニウム検出器の エネルギー較正システムの開発を東北大学CYRICの小型サイクロトロンにおいて行った。
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