本研究は、恒星中における炭素12の元素合成に重要な役割を果たすホイル状態の構造を実験的に決定することを目的とし、ホイル状態からの崩壊3α粒子の精密測定を行った。実験は、東北大サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにおいて110MeV、12Cビームを用いて12C(12C,3α)12C反応を行った。前方に散乱される崩壊3α粒子と反跳12Cを同時計測することによって、バックグランドのないクリーンな崩壊α粒子のデータを取得することに成功した。モンテカルロシミュレーションとの比較から、これまで観測されていなかったホイル状態から直接3α状態への崩壊を世界で初めて観測することに成功した。
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