三核子の間に働く力、三体力の決定は、現代の原子核物理学における最重要課題の一つである。本研究では、素粒子標準理論に直接基づいた決定を行うため、格子量子色力学の手法により三体力の大規模第一原理計算を行った。 主な成果としては、(1) 計算における新アルゴリズム・Unified Contraction Algorithm (統一縮約法)の開発により、192倍の計算高速化に成功 (2) 南部-ベーテ-サルピーター波動関数の漸近形を調べることにより、三体力の定義を場の理論から確立 (3) 様々なクォーク質量・格子間隔で計算を行った結果、近距離領域で三体斥力が存在することを見出した、などが挙げられる。
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