研究課題/領域番号 |
24740154
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
近藤 洋介 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (00455346)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 不変質量法 / 中性子ドリップライン / 酸素同位体 |
研究概要 |
酸素・フッ素同位体では中性子ドリップラインが急激に変化することが実験的に知られているが、このドリップラインの異常が何によるものなのかは今のところ分かっていない。原因の1つとして考えられるのは、32Mg周辺の中性子過剰核でみられるような殻構造の変化である。また最近の理論研究によれば、酸素同位体の中性子ドリップラインの決定には3体力が重要な役割を果しているということが示唆されている。 一方実験的には中性子過剰な酸素・フッ素同位体に関するデータが乏しいために、中性子ドリップラインの急激な変化の起源はいまだ分かっていない。本研究では中性子ドリップラインを越えたところに位置する非常に中性子過剰な非束縛酸素同位体の質量測定を行い、急激な中性子ドリップラインの変化の解明を目指す。 平成24年度では25O,26Oの質量測定実験を行った。実験はRIBFのSAMURAIスペクトロメーターを用いて行った。良質のデータを得ることに成功し、現在解析を進めている。SAMURAIスペクトロメーターは平成24年3月に完成したばかりの実験装置であるために解析手法が確立しておらず、予定よりもデータ解析に時間がかかっているが、これまでの解析により25O,26Oそれぞれの基底準位に対応する共鳴ピークが不変質量スペクトルで見られている。解析結果は国際会議等で報告を行った。 またアクティブ標的のシミュレーションを行った。25O,26Oの測定で得られた実験データをもとに、27O,28Oの質量測定実験のためのアクティブ標的のデザインの再検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25,26Oの質量測定実験を行い、良質のデータを得ることができた。これまでの解析で、25O,26Oの不変質量スペクトルにおいて基底状態に対応する共鳴ピークが確認できているため。
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今後の研究の推進方策 |
25O,26O実験のデータ解析を進めてこれらの生成断面積を求めることにより、27O,28O質量測定実験の収量の見積りにフィードバックをかける。また平成24年3月に行われたSAMURAIスペクトロメータのコミッショニング実験の解析が進み、中性子検出に関してこれまで予想していなかったバックグラウンドがあることが分かってきた。今後はアクティブ標的の開発を進めるとともに、複数の中性子検出についてのシミュレーターの開発・評価を行い、複数中性子検出のための解析アルゴリズム開発も行う必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
SAMURAIスペクトロメータのコミッショニング実験のデータ解析が進み、中性子検出に関してこれまで予想していなかったバックグラウンドがあることが分かった。そのため27O,28O質量測定実験のセットアップのデザインの見直しを行う必要が生じたので、アクティブ標的開発を一時凍結して仕様の見直しを行うこととした。そのために200,040円の未使用額が生じた。平成25年度ではアクティブ標的の仕様を決定し、平成24年度未使用額と平成25年度予算でアクティブ標的に使用するシリコン半導体検出器とそれに伴って必要となる物品の購入を行う。また成果発表のための学会参加費や出張旅費にも用いる。
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