原子核の研究において基本となる核力には、二核子間力以外に三体力と呼ばれる多体相互作用が存在するが、今までのほとんどの実験的研究では、その対象がアイソスピンT=1/2の三体力成分に限定されてきた。本研究では、不安定核ビームを用いる事で中性子3個の共鳴状態を生成し、T=3/2の三体力成分の詳細を直接的に明らかにする事を目指した。そのために、重陽子標的の開発及び製作、そして3つの中性子を同時検出するための大型中性子検出器の開発シミュレーションを行った。また同時に、安定核ビームを用いた陽子-重陽子散乱実験の解析を進め、中高エネルギー領域における三核子連続状態の詳細研究を進めた。
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