信号増幅機能を持つ新しい光センサMPPCをサーベイメータに採用し高線量場で長期的に使用した際、半導体素子そのものがガンマ線にさらされることによる放射線損傷と性能の劣化が懸念点として持ち上がった。そこでガンマ線照射に対して耐性を高くする改良を施したMPPCセンサをメーカと共同開発し、従来品と共にガンマ線を照射し、暗電流の増加率を比較することで耐性の評価を行った。その結果、100Gy程度のガンマ線被ばくに対して改造版素子の暗電流増加はせいぜい20%程度であり、シンチレーション検出器として動作させた際に662 keVガンマ線のエネルギー分解能にはほとんど影響を与えないことが分かった。サーベイメータ用のセンサとして過酷な放射線場でも使用することができることを実証した。
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