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2014 年度 実績報告書

ステレオ観測による雷雲からのガンマ線発生モデルの検証

研究課題

研究課題/領域番号 24740183
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

土屋 晴文  独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センタ, 客員研究員 (70415230)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード粒子加速 / ガンマ線測定 / 雷雲 / 雷
研究実績の概要

最終年度には、観測システムのアップグレードを行った。具体的には、1台のシステムを用いて、ガンマ線の到来方向を推測できるようにするため、東大の研究協力者らとともに井戸型のBGOシールドに4本の直方体のBGOを入れた検出器を作成・設置した。同時に、阻止能の大きなBGOを使うことで、これまで取り逃がしていたかもしれない微弱なイベントも取得できるようにした。その結果、従来、1冬季シーズンに2-3例の雷雲ガンマ線イベントを取得していたが、今年度には8例のイベントを取得することに成功した。その中には、これまで観測したイベントでも最大の統計数になるものや511 keV ラインの兆候を示すものも含まれ、BGOを用いた検出器が効果的であることがわかった。
H26年度に得られたイベントの解析は現在、進行中である。暫定的な解析結果では、最大統計の光子数が得られたイベントでは、雷雲からのガンマ線が真上方向から2分ほど到来していることが明らかになった。また、ガンマ線のエネルギースペクトルの時間変化を調べたところ、イベントの統計が多い時ほど高エネルギー成分が多くなる傾向があることがわかった。これは、従来、申請者を含む実験グループであるGROWTHが提唱していた雷雲ガンマ線は強くビーミングした制動放射ガンマ線であることを強く支持する結果となった。
H24年度から26年度までに得た結果により、GRWOTH実験では、陽電子生成を示す511 keVガンマ線を初めて地上の観測装置により検出したり、雷雲ガンマ線の到来方向を推測できる手段を得たりするなど、今後の雷雲ガンマ線の観測に大きな波及効果をもたらす成果を得ることができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Surrounding material effect on measurement of thunderstorm-related neutrons2014

    • 著者名/発表者名
      H. Tsuchiya
    • 雑誌名

      Astroparticle Physics

      巻: 57-58 ページ: 33-38

    • DOI

      10.1016/j.astropartphys.2014.03.009

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] GROWTH実験1:2014年末に新規設置した雷雲ガンマ線検出器と初期成果2015

    • 著者名/発表者名
      楳本大悟, 土屋晴文, 湯浅孝行, 中澤知洋, 榎戸輝揚, 古田禄大, 山田真也, 牧島一夫
    • 学会等名
      日本物理学会第70回年次大会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2015-03-22 – 2015-03-22
  • [学会発表] GROWTH実験2:2014-2015冬に観測された雷由来ガンマ線の詳細解析2015

    • 著者名/発表者名
      古田禄大, 楳本大悟, 土屋晴文, 湯浅孝行, 中澤知洋, 榎戸輝揚, 山田真也, 牧島一夫
    • 学会等名
      日本物理学会第70回年次大会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2015-03-22 – 2015-03-22
  • [学会発表] GROWTH実験の最前線 2012年に検出された対消滅線について2014

    • 著者名/発表者名
      楳本大悟, 土屋晴文, 榎戸輝揚, 湯浅孝行, 山田真也, 中澤知洋, 牧島一夫
    • 学会等名
      宇宙線研究所共同利用研究会「次の10年の宇宙線研究」
    • 発表場所
      東京大学宇宙線研究所
    • 年月日
      2014-11-17 – 2014-11-17
    • 招待講演
  • [学会発表] 雷や雷雲での粒子加速と高エネルギー現象 - GROWTHや高山観測 -2014

    • 著者名/発表者名
      土屋晴文
    • 学会等名
      宇宙線研究所共同利用研究会「次の10年の宇宙線研究」
    • 発表場所
      東京大学宇宙線研究所
    • 年月日
      2014-11-07 – 2014-11-07
    • 招待講演
  • [学会発表] GROWTH実験で2012年に検出された北陸冬季雷雲からの対消滅線2014

    • 著者名/発表者名
      楳本大悟, 土屋晴文, 榎戸輝揚, 湯浅孝行, 山田真也, 中澤知洋, 牧島一夫
    • 学会等名
      日本物理学会第69回年次大会
    • 発表場所
      佐賀大学
    • 年月日
      2014-10-19 – 2014-10-19

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公開日: 2016-06-01  

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