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2014 年度 実施状況報告書

全天X線監視装置の早期速報によるX線閃光天体の正体解明

研究課題

研究課題/領域番号 24740186
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

芹野 素子  独立行政法人理化学研究所, MAXIチーム, 研究員 (70415199)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード国際情報交換 アメリカ合衆国
研究実績の概要

本研究は、全天X線監視装置MAXIが観測する突発的な天体現象である「X線閃光」の起源を知るため、Swift衛星などの望遠鏡を用いて迅速な追跡観測を行い、発生源までの距離を知ることを目的としている。H26年度は他の衛星でも検出されたGRBを含めると15件の速報を行うことができた。また、そのうちスペクトルがソフトでMAXIだけが観測したものは7件あった。更に、発生から短時間で位置を決められたものについては、Swift衛星による追跡観測も積極的に行った。とくに2014年10月29日に観測された現象では、追跡観測によって既知の暗いX線源が増光していたことが分かった。この天体は銀河系内にあり、X線閃光の一部はこのような近傍の星を起源とする、短時間の変動によるものであることがわかった。ただし、追跡観測を行ったにもかかわらず、依然として対応天体が発見できない場合も多い。当初の予想では、典型的なガンマ線バーストと同様のX線残光が観測される、としていたが、結果はこれとは異なっている。また、別の可能性として上記のような銀河系内の天体の突発的な増光である可能性も考えていたが、そのような場合には既知の天体の増光が観測されるはずであり、これとも異なるようである。したがって、予想していたのとは異なる種類の天体が混在している可能性が徐々に高まってきたと言える。これらについては今後更に調査を進める必要があると考えている。
MAXIの観測によるこれらの結果をまとめたwebページも昨年から公開を開始しており、随時更新している。また、2013年4月までの観測結果は投稿論文として出版することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

論文の出版や、成果を発表するwebページの作成などは計画通りに進めることができた。しかし、国際会議に参加して、MAXIの観測成果を発表する予定であったが、都合がつかず参加することができなかった。

今後の研究の推進方策

国際会議に参加し、ガンマ線バーストやX線閃光のMAXIによる観測結果と、その追跡観測の成果を発表する予定である。これにより、X線閃光とひとまとめにされている現象の中には、既に理解の進んでいるガンマ線バーストとは異なる起源のものがある可能性を広く知ってもらい、正体解明のために欠かすことのできない追跡観測を行ってもらえるようによびかけたい。

次年度使用額が生じた理由

国際会議に参加するために海外出張を行う予定で旅費を確保していたが、参加できなかったため、旅費を使用できなかった。

次年度使用額の使用計画

国際会議に参加するために海外出張を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Low-mass X-ray binary MAXI J1421-613 observed by MAXI GSC and Swift XRT2015

    • 著者名/発表者名
      Serino, Motoko; Shidatsu, Megumi; Ueda, Yoshihiro; Matsuoka, Masaru; Negoro, Hitoshi; Yamaoka, Kazutaka; Kennea, Jamie A.; Fukushima, Kosuke; Nagayama, Takahiro
    • 雑誌名

      Publications of the Astronomical Society of Japan

      巻: 67 ページ: 30-1, 30-7

    • DOI

      10.1093/pasj/psv003

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] MAXI observations of gamma-ray bursts2014

    • 著者名/発表者名
      Serino, M., Sakamoto, T., Kawai, N., Yoshida, A., Ohno, M., Ogawa, Y., Nishimura, Y., Fukushima, K., Higa, M., Ishikawa, K., Ishikawa, M., Kawamuro, T., Kimura, M., Matsuoka, M., Mihara, T., Morii, M., Nakagawa, Y. E., Nakahira, S., Nakajima, M., Nakano, Y., Negoro, H., Onodera, T., Sasaki, M., Shidatsu, M. 他
    • 雑誌名

      Publications of the Astronomical Society of Japan

      巻: 66 ページ: 87-1, 87-14

    • DOI

      10.1093/pasj/psu063

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 低質量X線連星 MAXI J1421-613の発見2014

    • 著者名/発表者名
      芹野素子,松岡勝,志達めぐみ,上田佳宏,根來均,山岡和貴,ほかMAXIチーム
    • 学会等名
      日本天文学会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-13
  • [備考] MAXI GRBs

    • URL

      http://maxi.riken.jp/grbs/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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