原子核のスピンとアイソスピンを同時に反転させるガモフ・テラー(GT)巨大共鳴がどういう励起エネルギーに、どの程度の強度をもって存在するかを調べることは、その共鳴現象の背後にあるスピン・アイソスピン対称性が、どのように原子核全体に影響しているかを理解する上で、本質的に重要である。本課題期間中に、中性子ハロー核リチウム11を含む原子核のGT遷移測定プロジェクトを、RIBFにおいて申請し、認めさせた。また同じくスピン・アイソスピン対称性が見える可能性のある中性子スキンを持つSn同位体で、かつ中重核領域の最重要核錫132のGT巨大共鳴探索を行い、その観測に成功した。
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