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2013 年度 実績報告書

軌道角運動量を持った光と素励起との相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 24740200
研究機関山梨大学

研究代表者

東海林 篤  山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (40392724)

キーワード半導体 / 四重極子 / 光の空間モード
研究概要

光には空間モードの一種である軌道角運動量の自由度があるということが近年知られるようになり、光トラップや微細加工、顕微鏡などへの応用研究が盛んに行われている。しかし光の軌道角運動量が物質中の素励起に与える影響に関する研究はこれまで行われてこなかった。一方、亜酸化銅の1s励起子であるオルソ励起子は光と選択則が異なるパリティ禁制直接遷移の励起子として知られており、従来このオルソ励起子を励起するため電気四重極遷移や2光子励起過程などが行われてきた。本研究ではこのオルソ励起子の選択則禁制という性質に着目し、従来ガウスビーム(スカラー)として扱われてきた光の空間モードに軌道角運動量(ベクトル)を担わせることでオルソ励起子を一光子で励起させ、物質中の素励起が光の軌道角運動量から受ける影響の研究を進めてきた。
亜酸化銅のオルソ励起子のエネルギー位置を右回り円偏光且つ右回りラゲールガウスビーム(PolR+LGR)で励起したときの発光スペクトルには主に電気四重極遷移によって励起された準位を経由したものが含まれているが、光の空間モードに影響されて励起された成分も僅かに含まれていると考えられる。そこで右・左回り円偏光(PolR, PolL)及び右・左回りラゲールガウスビーム(LGR, LGL)を適宜組み合わせた四種類で励起を行った場合の発光スペクトルから、その差分(PolR+LGR)+(PolL+LGL)-(PolR+LGL)-(PolL+LGR)をとったものの観察を行った。この差分により四重極遷移によって励起された成分は互いに打ち消し合い、空間モードに影響されて励起された成分のみが残ることとなる。実験から発光の差分スペクトルが常に正である大きいという結果が得られ、その形状は通常の発光スペクトルと一致した。この実験より光の空間モードによるオルソ励起子の励起が可能であることが実証された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 軌道角運動量を有する光による亜酸化銅1sオルソ励起子の励起2014

    • 著者名/発表者名
      東海林篤、大友 明、齋藤伸吾
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      東海大学 湘南キャンパス
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [備考] 新規光学的手法を用いた無機結晶内電子分極及び格子分極の探索に関する研究

    • URL

      http://www.inorg.yamanashi.ac.jp/research/18

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公開日: 2015-05-28  

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