研究課題
本研究の目的は、無機化合物の結晶構造を制御出来る合成手法を開発し、無機カイラル磁性体の結晶構造と磁気構造のカイラリティ結合を実験的に検証することである。本研究で得られた主な成果を以下に記す。(a) 無機カイラル磁性体の大型単結晶育成撹拌法を導入することにより水溶性カイラル磁性体において結晶カイラリティを単一にした単結晶試料の育成が可能となった。さらに、育成条件の最適化を行うことで、単一の結晶カイラリティドメインを保持したまま、10倍の体積の単結晶を得ることに成功した。(b) 結晶と磁性のカイラリティ結合の検証結晶構造を左手系に制御したMnSiにおいて磁場中にてカイラル磁気ソリトン格子を形成することを実験的に検出することに成功した。磁場中偏極中性子回折測定を実施したところ、らせん磁気構造形成による磁気衛星反射に加え、高次の磁気衛星反射の観測に成功し、カイラル磁気ソリトン格子が形成されていることが判明した。また、これらの磁気衛星反射の偏極率を評価したところ、カイラル磁気ソリトン格子は左巻きであり、結晶構造のカイラリティと結合していることが判明した。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (19件) (うち招待講演 1件)
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