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2013 年度 実績報告書

水熱合成法による新規遷移金属化合物探索及び、その単結晶育成と磁性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24740209
研究機関神戸大学

研究代表者

原 茂生  神戸大学, 学内共同利用施設等, その他 (60520012)

キーワード磁性体 / 新規物質 / 結晶成長
研究概要

平成25年度の研究目的として、前年度からの継続課題である新奇磁気特性を示す新規物質探索と、Mo(V+)等の不安定原子価を持つ遷移金属を含む新規酸化物の合成を掲げた。
新奇磁気特性を示す新規物質探索では、前年度に報告したKV3Ge2O9(S=1)との比較物質の合成を目標とした。本年度KV3Ge2O9と同型構造で量子スピン数が異なるKMn3Ge2O9(S=2)の合成と単結晶育成に成功した。KV3Ge2O9同様、1mm3程度の複数の単結晶を再現良く育成でき、その単結晶試料を用いて磁性測定を行い、その結果をまとめて公表した[日本物理学会2013年 秋季大会(徳島大学),26aKM-4]。S=2を持つ実在する磁気フラストレーション系カゴメ格子物質はこれまで報告例が無く、その基底状態が如何様な状態を示すのか実験的な示唆は無い。本研究による新規物質の発見は該当研究分野の発展を促進するものとしてその意義・重要性は大きいと考えられる。
不安定原子価を持つ新規遷移金属酸化物の合成では、不安定原子価を持つ物質の報告が比較的なされているMo元素に着目し合成を行った。本年度の研究に於いてK2V2Mo3O11の組成式で表される新規遷移金属酸化物の合成に成功した。この物質ではV元素は3+を取っていると考えられMo(IV+)とMo(V+)が存在する事になる。本合成結果は無機酸化物において、不安定価数を持つ物質の合成が一部選択制御可能である事が明らかになったと考えられる。また、磁性の評価等、物性測定は今後行う予定であるが、この物質はMoが層状カゴメ格子を形成しておりフラストレーション系の新奇な参照物質となり得る。これらの結果は、合成及び物性両面において研究の発展に重要な役割を果たすものと考えられる。
2年間の研究に於いて、計4つの新規物質合成と1つの単結晶化に成功し、磁性測定から基底状態のモデルを提案した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 新規Mo系3量体化カゴメ格子酸化物の構造と磁性

    • 著者名/発表者名
      原 茂生、佐藤 博彦、櫻井敬博、太田仁
    • 学会等名
      日本物理学会第69回年次大会
    • 発表場所
      東海大学
  • [学会発表] S=2カゴメ格子反強磁性体KMn3Ge2O9の合成と物性測定

    • 著者名/発表者名
      原 茂生、佐藤 博彦、渡辺 忠孝
    • 学会等名
      日本物理学会2013年 秋季大会
    • 発表場所
      徳島大学

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公開日: 2015-05-28  

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