研究概要 |
TaS3リング・NbS3リングにおける量子干渉効果の測定、および干渉効果に関係すると考えられる電荷密度波電流の時間変動現象を調べた。その結果、TaS3リングでは、顕著な電荷密度波電流の時間変動現象が見られ、また時間変動の割合が、印加直流電圧に対してヒステリシスがあることが分かった。以上の結果は、国際学会(International Workshop on "Phase Transition, Critical Phenomena and Related Topics in Complex Networks" September 9-11, 2013、Sapporo)にてポスター発表を行い、またプロシーディング(査読有)がTopologica誌にて出版準備中である。 電荷密度波ダイナミクスの基礎となる、電荷密度波位相ソリトンの効果を数値計算を用いて調べた。その結果、擬一次元電荷密度波系に自由に運動できるソリトン(ソリトン液体)が存在しうること、ソリトン液体の存在で衛星反射の構造を説明できること、電気伝導測定における新規ac-dc干渉が存在し、実験結果を説明できることが分かった。これらの結果をまとめて、Physical Review Letter誌に論文を投稿中である。
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