本研究では、近年再び注目をされている高温超伝導体のスピン・電荷ストライプ秩序相に着目し、新しい分光手法である反射型テラヘルツ時間領域分光と角度分解光電子分光(ARPES)の二つの強力な異なる特徴を持つ実験手法を相補的に用いてストライプ秩序の本質的な電子状態を明らかにすることを目的とした。反射型テラヘルツ時間領域分光法では従来の赤外分光では検出できなかった低周波領域に超伝導の状態が生き残っている証拠を発見した。またARPESによりストライプ秩序によって超伝導状態の強さを示す超伝導ギャップが小さくなることを明らかにし、長年の議論に決着をつけることに成功した。
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