本研究は、平成24~25年度の2年間にわたり、マンガン酸化物を中心に様々なマルチフェロイック物質についての理論研究を行い、電子状態の観点から微視的な強誘電性発現機構を解明し、さらに、新奇材料物質の理論設計を行った。実験グループとの共同研究においては、電子状態計算によって実際に観測された強誘電性現象の本質的な理解を得る事に成功し、また、理論先行型の研究では、イタリアの理論グループ(Dr. Silvia Picozzi)と議論を行い、実験ではまだ成されていない新物質の設計と物性評価を行った。本研究は、実地例の少ない「理論主導によるマルチフェロイック物質の研究」として満足な成果を上げた。
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