研究課題
①PdCrO2の磁気構造と異常ホール効果PdCrO2の中性子散乱実験の結果から磁気構造解析を行い、T* = 20 K以下で起きる異常なホール効果と磁気構造の関係を吟味した。具体的には反強磁性秩序化温度TN = 37.5 K以下の結晶構造の対称性から規約表現による磁気構造解析を行い、T*前後における磁気構造のスピン配列を吟味した。その結果、T*以下でスピン配列に非平面性が現れる可能性が浮き彫りとなった。すなわち、非平面なスピン配列がつくるカイラリティによりT*以下で異常なホール効果が生じる可能性がわかった。本成果は論文としてまとめPhysical Review B誌に投稿し、掲載されるに至った(H. Takatsu et al., Phys. Rev. B 89, 104408 (2014).)。②単結晶育成と共同研究の展開PdCoO2とPdCrO2の純良単結晶を育成し、国内外の研究者と強磁場磁気抵抗の実験や角度分解光電子分光の実験の共同研究を展開した。PdCrO2ではTN以下でもフェルミ面の再構成が起きないことや、PdCoO2では磁気抵抗の角度依存性振動や巨大な磁気抵抗効果の再検証などの結果を得ることができた。得られた結果は論文としてまとめPhys. Rev. B 88, 125109 (2013).などとして掲載された。
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Physical Review B
巻: 89 ページ: 104408(1-12)
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http://www.houjin-tmu.ac.jp/news/press/3460.html?d=assets/files/download/press/press_130801.pdf
http://physics.aps.org/synopsis-for/10.1103/PhysRevLett.111.056601