ナノスケールの極小磁石を対象として、磁石の方向である磁化の運動と物体そのものの運動から磁気の流れである「スピン流」を生み出す新しい手法の理論提案を行った。ナノ磁石の境界である「磁壁」の運動に伴い発生する微小電力の出力安定化に有利な性質(高磁気異方性)を特定することで、従来材料の100倍の出力増大が可能であることを明らかにし、その磁気デバイス応用の提言を行った。また、金属の表面や界面に発生する特殊な磁場を用いることで、極めて強力なナノ磁石を作ることができることを理論的に明らかにした。更に、液体金属を使うことで物体運動からのスピン流生成が可能であることを理論的に予言し実験グループと共に実証した。
|