研究課題
我々は、「速い音速」現象(非弾性X線散乱と超音波測定で液体の音速の値が大きく異なる)を利用した新たな実験手法が、液体中の「ゆらぎ」=エントロピーの直接観測として利用できること、また、水の液体-液体相転移現象の理解を深めるために非常に有効であること、を近年提言し、この手法による独自の液体研究を行っている。本研究では、この「速い音速測定」を類似の他の系に適用し、この手法の有効性を立証すると共に、それぞれの系のゆらぎの状態を議論する。本年度の進展は以下の通りである。○水-エタノール系の非弾性X線散乱測定: 常温での組成依存性を調べた。得られた動的構造因子から見積もった音速は、アルコール組成に対して単調に減少した。これは、超音波速度が10%程度で極大を示すこととは全く異なる結果であり、新たに得られた重要な実験事実である。
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http://home.hiroshima-u.ac.jp/kajihara/index.html