ダイバータ周辺の低温プラズマ中の素過程を理解するため、電子と金属表面の散乱実験を計画した。実験は、従来から行ってきた気相原子分子標的の電子分光実験を金属清浄表面へ拡張することで行われた。極高真空用装置の設置、従来の気相標的を用いた装置の動作テスト、気相原子分子用電子分光装置を表面標的用への改良を行い、回転機構を導入することで入射角と散乱角を同時に制御可能となった。同時に金属表面の電子分光実験で重要な原子散乱因子をスペインの共同研究者と理論計算し、測定結果との比較をする準備が整った。標的としてタングステンを用いた散乱実験を開始し、表面散乱と原子散乱因子についての比較を行う予定である。
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