永久磁石を用いた電子線イオン・トラップを制作した。装置開発の目標として 1)超伝導磁石の利用に伴うコスト、設計の複雑さ、および検出器立体角の減少を避けるため永久磁石の利用、2) トラップ中心磁場 1.0 T 以上、3)蛍光検出のため最大限の立体角の確保、4)電子ビームのエネルギー5 keV、電流1 mA以上とした。 真空チェンバー、磁気ポールピース、磁気サーキット、それから電子銃と電子光学一式を制作した。現在使用可能の磁石32枚の内16枚の利用でトラップ中心磁場 0.8 Tに到達した。 1 keV, 1 mAの電子線の利用が可能で、可視光分光を用いてアルゴンイオンの生成を確認できた。
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