新たなシミュレーション手法として、レプリカ置換法及びハミルトニアンレプリカ置換法の開発に成功した。これらの手法を用いることで従来のシミュレーション手法と比較して生体分子の効率的な構造探索が可能となった。これらの手法を用いてアミロイドベータペプチドのオリゴマー形成過程を原子レベルで調べた結果、アミロイドベータペプチド分子同士が近付くとベータ-ヘアピン構造が増加することが分かった。このような分子内ベータ-シート構造が存在すると、さらに分子同士が近付いた時にアミロイド線維中で見られるような分子間ベータ-シート構造が形成されやすいことが分かった。
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