研究課題/領域番号 |
24740303
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高橋 太 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20467012)
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キーワード | 地球ダイナモ / コア / 二重拡散対流 / 安定成層 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、地球コアのダイナミクスをより精密にモデル化するために熱と組成による浮力源を同時に考慮した数値モデルを用いて、二重拡散対流によって駆動される地球型ダイナモの数値シミュレーションを実施した。熱プラントル数は0.1、組成プラントル数を1.0として熱と組成の拡散率の比を10とした。エクマン数を0.0003、0.0001として浮力源の強さの割合を変化させてダイナモシミュレーションを行い、双極子型と非双極子型及び半球型の三種類のダイナモ解を得ることに成功した。また、帯状流が全運動エネルギーに占める割合とヘリシティの間に相関があること、ヘリシティが減少することで非双極子型、半球型のダイナモが生じやすくなることを定量的に評価することに成功した。 以上の結果より得られた基礎的理解に基づき、コア-マントル境界下に熱的な安定成層を取り入れたダイナモシミュレーションに着手した。予察的段階ではあるが、薄いながらも安定成層が存在することでコアの対流が全体的に抑制され、生成される磁場強度に大きな影響を与え得るという結果が得られた。 また、本研究結果における物理過程の理解を促進するために、拡張したディスクダイナモモデルの安定性解析を行い、亜臨界状態のダイナモの発現と磁場生成効率との関係性を明らかにすることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までの成果を参考に、安定成層を取り入れたダイナモシミュレーションを系統的に行うことで、多くの結果を順調に得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き追加のシミュレーションを行う必要があるが、安定成層の効果を定量的に評価するために計算結果の詳細な解析を並行して進める。来年度は課題最終年度にあたるので、二重拡散対流と安定成層を取り入れたこれまでのシミュレーション結果の総まとめを当初の計画通りに行う。
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