干渉合成開口レーダー(InSAR)解析を行い、5つの火山地域(秋田駒、栗駒、蔵王、吾妻、那須)に2011年東北地方太平洋沖地震に伴う局所的な沈降を検出した。これらの地域では地熱活動が活発であり、地下に高温で強度の低い深成岩体が存在すると思われる。この高温岩体が東北地震により変形した際に発生する地表変形を計算してInSAR解析と比較し、高温岩体の位置や形状を明らかにした。地震が引き起こす引張応力の主軸と直交する方向に高温岩体が伸びている場合に大きな沈降が引き起こされ易い。GPSデータは沈降が1日以内に完了したことを示すため、地下水の移動は沈降の直接的原因とは考えにくい。
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