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2017 年度 実績報告書

衝突クレーターの多様なエジェクタ地形の形成過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24740307
研究機関国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

研究代表者

鈴木 絢子  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 招聘職員 (20547252)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2018-03-31
キーワード衝突実験 / 衝突クレーター / エジェクタ / 軽ガス銃
研究実績の概要

前年度までに得られた実験結果を解析した。雪標的上にできたクレーターは,半楕円球状の窪み(ピットと呼ぶ)と,それを取り巻く不定形の窪み(スポール領域と呼ぶ)からできていた。これは,岩石への弾丸衝突などで観察される,典型的な強度支配域クレーターと似た形状である。ピットの直径と深さは,標的強度が増大するにつれて減少した。一方,スポール領域を含むクレーター全体の直径は,標的強度が小さいうちは強度と共に増大し,ピークを迎えたのちに減少に転じた。今回の実験の最長焼結時間20時間の場合にはスポール領域は消失し,ピットのみのクレーターが形成された。焼結時間15分の標的にできたクレーターには,クレーター周囲の一部に土手のようなものが付随しており,重力支配域のクレーターで観察されるクレーターリムと似た特徴を示した。Holsapple, 1993で提案された統合スケーリング則の第1項(重力支配項)と第2項(強度支配項)の比は,0.1~1.7の範囲になった。強度支配域項の係数を~1と仮定すると,今回の実験条件は,強度支配域と重力支配域の境界領域にあたる。一方で,深さ-スポール直径比は0.5~1に近く,粉体上にできる衝突クレーターの値(~0.2)より大きく,弾丸標的密度比の高い強度支配域のクレーターに近いこともわかった。さらに,Arakawa and Yasui, 2011で観察された雪標的上のクレーターよりも大きいが,これは,Arakawa and Yasui, 2011よりも密度の大きい弾丸を用いているためであると考えられる。
解析結果は研究協力者と議論し,追加実験は行わずにまとめた方が良いと判断した。日本惑星科学会秋季講演会,衝突研究会で発表し,それぞれの参加者とも議論した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 雪標的に作られる衝突クレーター地形2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木絢子, 保井みなみ, 荒川政彦, 長谷川直
    • 学会等名
      日本惑星科学会2017年秋季講演会
  • [学会発表] 雪標的への衝突でみられるクレーター周りのスポール地形2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木絢子, 保井みなみ, 荒川政彦, 長谷川直
    • 学会等名
      天体の衝突物理の解明 (XII) ~太陽系の進化過程におけるダストの役割~

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公開日: 2018-12-17  

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