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2013 年度 実施状況報告書

焼結ダイヤモンドアンビルを用いた下部マントル条件下での弾性波速度測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24740315
研究機関公益財団法人高輝度光科学研究センター

研究代表者

肥後 祐司  公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (10423435)

キーワード超音波 / 弾性波速度 / 下部マントル
研究概要

昨年度に引き続き、焼結ダイヤモンドアンビルを用いた超音波実験を可能にすべく、高圧実験セルの開発と超音波測定システムの最適化をおこなった。発生圧力の高効率化のために、TELを3.0mmから1.5mmへ大幅に縮小した。アンビルには住友電工製焼結ダイヤモンドを使用し、トランケーション面は超音波の散乱を最小化するために、別途シンテック(株)において鏡面研磨をおこなった。超音波測定システムには低ノイズポストアンプ及びデュプレクサを使用し、超音波振動子背面の電極を小型化することで、高いS/Nで超音波エコーを測定することができた。実験はSPring-8のBL04B1で行い、まずAl2O3焼結体をテスト試料として用いた。実験により試料及びバッファーロッドの超音波エコーが測定できることを確認した。次に(Fe0.2Mg0.8)O及び(Fe0.5Mg0.5)Oを試料として用い、放射光X線とマルチアンビル装置を組み合わせた弾性波速度測定実験をおこなった。本実験ではスピン転移が生じる下部マントル内の圧力発生(40-60GPa)を実現することを目標としている。超音波測定システムの開発の結果、約50GPaまでの弾性波速度データの取得には成功した。しかしながら、X線ラジオグラフィー像が不鮮明のため、試料長の測定が困難であり、弾性波速度の算出には至らなかった。今後高圧セルのガスケット部分の最適化によってX線ラジオグラフィー像の鮮明化を図り、弾性波速度測定を実現させたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の最大の課題である、下部マントルに相当する圧力発生と、高圧下の超音波エコーの測定には既に成功している。現在課題となっている、ラジオグラフィー像の鮮明化は高圧セルの軽微な改良によって実現されると考えており、本研究の達成は十分可能である。

今後の研究の推進方策

高圧セルに関わる、改良をさらに進めて、下部マントル条件下での弾性波速度測定を可能とする技術開発を進める。また、並行して下部マントル構成鉱物の焼結実験もおこなう。高精度の弾性波速度測定には、良質の焼結試料が不可欠であり、Mg-ペロブスカイトやフェロペリクレースなど下部マントルの主要構成鉱物の焼結試料を作成し、上記の超音波測定実験の試料として使用する。

次年度の研究費の使用計画

概ね予定通りであるが、焼結ダイヤ等の高額消耗品の消費が少なく、次年度に持ち越した。
次年度は焼結ダイヤモンドを使用した実験が増える予定で、当該予算を高額消耗品の購入に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Unusual pressure effect on the shear modulus in MgAl2O4 spinel2013

    • 著者名/発表者名
      Y. Zou, S. Greaux, T. Irifune, B. Li, Y. Higo
    • 雑誌名

      Journal of Physical Chemistry C

      巻: 117 ページ: 24518-24526

    • DOI

      dx.doi.org/10.1021/jp404901a

    • 査読あり
  • [学会発表] 焼結ダイヤモンドを用いた下部マントル条件下での弾性波速度測定技術開発

    • 著者名/発表者名
      肥後祐司、舟越賢一、入舩徹男、松井正典
    • 学会等名
      第54回高圧討論会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ(新潟市中央区)

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公開日: 2015-05-28  

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