ISS/JEM/SMILESとSCISAT-1/ACE-FTSデータをもとに、2009/2010年の北極の冬春季の気温とオゾン化学関連物質の相関関係を調べた。1月中旬から2月初旬に、ClOデータが0.5 ppbvよりも高濃度であった地点は、気温が200 Kより十分低く、等価緯度が70°以上、太陽天頂角が96°以下であった。1月中旬にはHClとClONO2が減少、ClOが増加し、1月下旬にはClOが減少、HClとClONO2が増加した。1月の等価緯度70°以北で、観測値に基づく総塩素量がN2Oから計算した総塩素量よりも大幅に低い値を示したことから、ClOダイマーの存在が示唆された。
|