冬季寒気吹き出し時には、広範囲で生じる筋状の降雪雲とは異なり一際太い雲バンドである帯状雲が形成される。帯状雲は外力によって大きく変動し、特に活発化した時間帯・場所においてしばしば大雪がもたらされる。本研究では2009年1月25日から27日にかけて形成された帯状雲が特に活発化した上陸部周辺における降雪粒子の形成過程(雲微物理過程)を、主に偏波レーダーの観測データによって調べた。その結果、山岳における気流のブロックによって山岳の側方に定常的な収束域が生じ、この領域における霰降水の増加によって、多量の降雪がもたらされていたことがわかった。
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