先駆的なデータ同化手法を用いて、衛星観測と数値モデルによる情報を統合し、大気汚染を引き起こす化学物質の大気中濃度と排出量を同時に推定する再解析システムを構築した。衛星観測情報を適切に反映するために、観測原理に基づく観測演算子を作成しデータ同化に利用した。過去8年間について、対流圏の各種物質の分布変動を再現する再解析計算を実施した。再解析データの品質を検証し、大気汚染物質の長期的な変動の様子を調査した。見積もられた排出量の時空間変動についても詳しく調査し、各種統計情報に基づき作成された従来のエミッションインベントリの問題点を指摘した。
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