研究課題/領域番号 |
24740333
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
尾花 由紀 大阪電気通信大学, 工学部, 講師 (50398096)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 磁力線共鳴振動 / ULF波動 / 地磁気脈動 / 磁気圏-電離圏結合 / 海外学術調査 |
研究概要 |
概要 ニュージーランドに新しい地磁気観測網を構築し,そのデータを用いて磁力線共鳴振動の1/4波長モード波を詳細かつ長期間にわたって観測する。またこれにより、1/4波長モード波の発生頻度、3次元的な構造、共鳴特性を明らかにすることが本研究の目的である。平成24年度は観測網の構築とデータの収集を順次進め、イベント解析を行った.1/4波長モード波の兆候を示す地磁気脈動現象を磁力線共鳴振動の周波数からサーベイし、発生頻度や共鳴特性について解析を進めた.以下,個別の項目について詳細を述べる。 1/4波長モード波のサーベイ 収集された地磁気多点同時観測データを用いて,磁力線共鳴振動の周波数を調査。夜明け前後の異常に低い周波数に着目しながら1/4波長モード波のサーベイを行った.いくつかの非常に明瞭なイベントを含む,複数のイベントがリストアップされた. 発生頻度 上記のサーベイを進めながら、1/4波長モード波の発生頻度を調査した。現在のところ,予想(先行研究で他の経度線上で調査した結果)よりも発生頻度が低めの傾向が出ている。 共鳴特性 リストアップされた1/4波長モード波のうち,特に磁力線共鳴振動の特徴(2観測点ペア間の位相差・振幅比の特徴)が明瞭であったものについて,共鳴幅と減衰率を調査した。この成果は2013年6月に開催されるAsia Oceania Geosciences Society 10th meetingにて口頭発表の予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地磁気観測網体制の整備は順調に進展し、運営状況も良好である. データ解析についても順次進めており、一部の成果について,発表が決定している.問題点としては1/4波長モード波の発生頻度が先行研究に基づく予想より低めであり,イベント数が予想ほどに増えてない。そのため他のデータとの同時観測機会が少なく,予定していた短波レーダーとの同時データの解析が進んでいない.
|
今後の研究の推進方策 |
上記のとおり,1/4波長モード波の発生頻度が予想より低めであり,イベント数が思ったほどに増えていない.そこで、より多くのイベントを拾い上げるために自動検出プログラムを開発して網羅的な調査を行う必要がある。平成25年度はまずこの開発を優先的に行う。基本アルゴリズムはBerube et al. [2003]が開発した手法を継承し,本観測データに合わせた調整を行う計画である. 次に研究計画に示したとおり,周波数変化と共鳴特性の変化,共役点間での振幅比・位相差の調査を進める.データは平成24年9月以降に記録・回収された地磁気データを基にし、平成24年度内に調査できなかった季節も含めた統計解析を行う。また短波レーダ等を用いた電離圏における脈動データ等を参照し、総合的な解析を行う。具体的な手法は研究計画に記載したとおりである。 さらに地磁気観測の維持のため、平成25年度中に1回,現地に出張してメンテナンス作業を行う.
|
次年度の研究費の使用計画 |
他の観測データとの比較研究を行うために,各観測PI等との研究打ち合わせを行う.また研究成果を国内学会で発表する。これらの出張のために国内旅費が必要であり,これに研究費を当てる. 次に,磁力計メンテナンスのために現地(ニュージーランド)に出張する.また、研究成果を国際学会で発表する。これらの出張のために国外旅費が必要であり,これに研究費を当てる. 現地でのメンテナンス作業等で諸経費(レンタカー代,ガソリン代,消耗品費等)が必要である。また、論文投稿のための経費が必要であるので、これに研究費を当てる。
|