研究概要 |
概要 ニュージーランドに新しい地磁気観測網を構築し,そのデータを用いて磁力線共鳴振動の1/4波長モード波を詳細かつ長期間にわたって観測する。またこれにより、1/4波長モード波の発生頻度、3次元的な構造、共鳴特性を明らかにすることが本研究の目的である。平成24年度には測網の構築波終了したので,平成25年度はデータの収集を順次進め、イベント解析を行った。1/4波長モード波の兆候を示す地磁気脈動現象を磁力線共鳴振動の周波数からサーベイし、発生頻度や共鳴特性について解析を進めた。以下,個別の項目について詳細を述ベる 。 1/4波長モード波のサーベイ 収集された地磁気多点同時観測データを用いて,磁力線共鳴振動の周波数を調査。夜明け前後の異常に低い周波数に着目しながら1/4波長モード波のサーベイを行った。いくつかの非常に明瞭なイベントを含む,複数のイベントがリストアップされた. 1/4波長モード波の発生頻度に関する統計調査 上記のサーベイを進めながら、1/4波長モード波の発生頻度を調査した。ULF波動の活動度との相関を調べたところ,正の相関があることが明らかになった。 共鳴特性 リストアップされた1/4波長モード波のうち,特に磁力線共鳴振動の特徴(2観測点ペア間の位相差・振幅比の特徴 )が明瞭であったものについて,共鳴幅と減衰率を調査した。
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今後の研究の推進方策 |
上記のとおり,研究は順調に進展している.平成26年度はこれまでの研究成果をまとめ,論文として発表することを第一の優先事項として研究を進める. また、今後の研究の発展のためには、より多くの イベントを拾い上げるために自動検出プログラムを開発して網羅的な調査を行う必要があると感じている。基本アルゴリズムはBerube et al. [2003]が開発した手法を継承して、既に開発済みであるので,あとはルーチン化のための周辺プログラムの開発と調整を行う必要がある.平成26年度中にこの部分も行いたいと考えている. 上記と平行して進める計画であるのが,平成26年度中に記録・回収される地磁気データの解析である.これらを基にし、平成25年度内に調査できなかった季節も含めた統計解析を行う。また短波レーダ等を用いた電離圏における脈動データとの比較研究をすすめており、こちらも継続して進める. 上記の解析研究とは別に必要なのが地磁気観測の維持のための作業である.平成26年度中に1回,現地に出張してメンテナンス作業を行う.
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