我々は、これまで地表から熱圏までの中性大気領域と電離圏を統合した地球全大気モデルGAIAを開発してきた。本研究では、将来的な数値予測に向けてGAIAの精緻化と現実の現象を再現するための開発を実施した。具体的には、空間分解能を1度(~100km)に向上させるとともに、地球磁場に沿った電離圏の振る舞いを表現できるように数値手法を改良した。また、気象再解析データを利用した現実ベースのシミュレーションを19年分実施し、観測や他のモデルとの比較を通じて検証を行った。精緻化されたGAIAでは、近年観測される数100kmスケールの現象が再現されており、今後同スケールの電離圏現象の解明に有用となりうる。
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