世界最大級の海洋コアコンプレックスであるフィリピン海パレスベラ海盆のゴジラメガムリオンから得られた岩石から,デタッチメント断層に浸透する流体の特徴を把握し,岩石-流体反応時の物質移動過程を解明することを目的としてデタッチメント断層運動に関連する断層岩に含まれる含水鉱物(特に角閃石)に注目して研究を行った.結果としてゴジラメガムリオンにおいて形成初期・中期・後期に対応すると推測される3つの試料採取地点から得られた微量元素組成データは,試料採取地点ごとで異なる傾向を示した.このことはゴジラメガムリオンの各形成時期においてデタッチメント断層沿いに流入する流体の種類が異なることを示唆する.
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