本研究課題では,前期白亜紀の後半にアジアで真獣類が哺乳類相の主要メンバーとなり始めたことに伴い,東アジアの哺乳類相がどのように変化したのかを明らかにすることを目的とし,中国の遼寧省阜新地域における化石発掘調査と,同地域の沙海層・阜新層および日本の兵庫県の篠山層群等から見つかった哺乳類化石の分類学的検討をおこなった. 発掘調査では,研究課題期間中に 120 点の哺乳類化石を発見した.この時代の哺乳類化石としては期待以上の成果であり,大成功だったと言える.分類学的検討では複数の新種哺乳類を記載し,現在も複数の論文を投稿・投稿準備中である.今後の研究で哺乳類相の変遷がより詳細に見えて来ると期待される.
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