本研究は,原子対分布関数(PDF)法を用いて,フェリハイドライトの粒径増加によるヘマタイトへの相転移するメカニズムを解明するために行った.X線全散乱測定の結果,粒径サイズが3.5 ~4.0 nmからそれ以上に増加すると,ヘマタイトに相転移する.単位格子は,粒径サイズの増加とともにa軸,b軸長が減少し体積が減少する.このことから,フェリハイドライトは,FeO4四面体を含む6員環が収縮することで,FeO4四面体周囲の酸素原子間距離が短くなり,FeO4四面体からFeO6八面体への配位数変化が起こり, FeO4四面体がすべてFeO6八面体に変化することでヘマタイトに相転移している.
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