磁性鉱物の詳細な結晶学的磁気構造解析をめざし、X線共鳴磁気散乱を用いた磁気構造解析の実験的及び理論的研究及び高圧下への拡張の試みを行った。結晶中の配位環境による共鳴効果の差異を反映した異常散乱因子を得るため、マグネタイト(Fe3O4)について、占有席の違いを区別したFeの異常散乱因子及び磁気的異常散乱因子を実験的に求めた。X線共鳴磁気散乱強度のエネルギー依存性から、Feの3d電子の状態密度を求め、Aサイトのe、t2軌道、 Bサイトのt2g、 eg軌道をとる磁性電子のエネルギー差が実験的に求められた。拡張差フーリエ法を用いて磁性電子のみをマッピングした磁性電子密度分布を得ることができた。
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