火山岩中の無水鉱物(化学式にHを含まない鉱物)には、実はppmオーダーの微量の水素が不純物として含まれている。この水素は、鉱物と共存するメルトに溶存している水の含有量や、脱ガス時の水の挙動の指標として利用可能である。本研究では、無水鉱物の一つである斜長石に着目した。実験的手法により、斜長石-メルト間の水素の分配を明らかにし、島弧の火山フロントの火山のマグマが水に富むことを議論した。斜長石の水素含有量から得られる知見を確かめるため、伊豆大島火山から過去四万年間に噴出した無斑晶質の玄武岩の組成のバリエーションを見直した。その結果、斜長石の水素含有量から得られる知見とは矛盾しないことが分かった。
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